設立趣旨
1趣旨
◯社会経済情勢及び問題点
【成年後見制度利用状況の低迷】
人としての尊厳が損なわれることがないように整備された権利擁護に係る基盤の制度であるはずの成年後見制度は、西暦2000年(平成12年)に介護保険制度とともに車の両輪として発足したが、介護保険制度に対する認知度や同制度の利用状況に比して成年後見制度のそれは、超高齢社会を迎え意思決定に支援が必要な方々が増加しているにもかかわらず、低迷している現状がある。
【成年後見人等のなり手の不足】
制度の対象となる認知症高齢者や知的障がい者、精神障がい者の数が増加の一途をたどっている反面、 親族間の関係の希薄化、親族自身の高齢化、本人の資産をめぐる親族間紛争の深刻化等が原因となって、成年後見人等として選任すべき親族が見当たらない事案や親族を成年後見人等に選任するのは相当でない事案が増加していることから、親族以外の専門職による第三者後見人受任の割合が増加しているが、成年後見人等の事務量の多さから一人の専門職後見人が成年後見人等を受任できる人数には限りがあり、また、今後において成年後見制度の利用が進むにつれて、本人の資力が乏しく専門職に報酬を支払うことが困難なケースも増加していくものと見込まれるため、益々なり手不足が深刻化するものと思われる。
○当法人の行う事業と社会的利益
生活上の困りごとに対して、相談援助を行うあるいは適切な支援につなぐなど、身上保護を重視した活動については、フットワークが軽く密度の濃い訪問をこなすことができる同じ地域で暮らす市民が同じ目線で支援が必要な方に寄り添うことでできるものであり、市民後見人が地域に住む身近な存在として認識されるようになることで、地域に成年後見制度の周知が進んでいき、意思決定に支援が必要な方々の権利が法的に擁護される地域社会が作られていくことになる。
○特定非営利活動法人の設立理由
法人化を図ることで後見事務の継続性が確保され、多様な後見ニーズへの対応が可能となり、組織力の対応による後見サービスの質の向上を図ることができるため
2申請に至るまでの経過
○法人の設立を発起し、申請するに至った動機や経緯
社会貢献意識の高まりから東京大学主催の市民後見人養成講座の受講や各種セミナーへの参加を経て任意団体を立ち上げ活動してきたが、いろいろな職種を 経験した人達が揃ってきたことから、本来の目的である受任活動を目指すため
○これまで取り組んできた具体的活動内容
1 成年後見制度の普及・啓発及び同制度と関連のある分野に係るセミナーの開催
・第1回成年後見制度をみんなで考えるセミナー
「今、介護現場で起こっていること」
・第2回成年後見制度をみんなで考えるセミナー
「成年後見人って何する人?」 ほか
2 成年後見制度・権利擁護等に係るセミナー・研修等への参加